ノンアルコール飲料の品評会・コンテスト|世界三大NAビールアワード

金メダルとノンアルコールビールのグラスが並ぶ品評会のテーブル ノンアル
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去年の春、ロンドンの輸入業者と話していて「うちが扱ってるのはWorld Beer AwardsのNo&Low部門で金を獲った銘柄だけ」と言われ、初めて品評会の重みを実感しました。日本のスーパーで普通に並んでるあの缶が、海外では金メダルを獲った受賞ビールとして扱われている。この温度差が、今のノンアル業界の現実だと思ってます。

「ノンアルなんて品評会あるの?」という反応をよく受けますが、実は世界には10以上の権威ある大会があり、毎年数百銘柄が審査されています。受賞ラベルは飾りではなく、選ぶときの強力な指針になる。

この記事では、業界で「世界三大」と呼ばれるNAビールアワードを軸に、ワイン・スピリッツ系の品評会、評価の仕組み、受賞銘柄の探し方まで、自分が現場で見てきた範囲でまとめます。

  1. なぜノンアル品評会の存在を知っておくべきか
    1. 受賞ラベルは「選びやすさ」を一気に高める
    2. 業界の進化スピードを測るバロメーター
  2. 世界三大NAビールアワードとは
    1. World Beer Awards(ワールドビアアワード)
    2. Brussels Beer Challenge(ブリュッセル・ビア・チャレンジ)
    3. International Beer Challenge(インターナショナル・ビア・チャレンジ)
  3. 三大アワードの審査基準と評価項目
    1. 官能評価の5つの軸
    2. ブラインドテイスティングの徹底
    3. スタイル別審査という公平性
  4. 過去5年の主要受賞銘柄リスト
    1. ドイツ勢の強さの理由
    2. アメリカン・クラフトの台頭
  5. ビール以外の品評会|ワイン・スピリッツ
    1. Decanter World Wine Awards(DWWA)
    2. International Wine Challenge(IWC)No & Low部門
    3. World Spirits Awards(NA Spirits部門)
  6. 日本国内の品評会・コンテスト事情
    1. 「ジャパン・ヘルシーフードアワード」など派生型
    2. メディア主催のブラインドテスト企画
  7. 受賞銘柄を実際に手に入れる方法
    1. 輸入専門店・並行輸入ルート
    2. サブスクで「お試し」する
    3. 海外旅行・出張のついで買い
  8. よくある質問
    1. Q1. 品評会の金賞と銀賞、どれくらい味の差がありますか?
    2. Q2. 日本のメーカーは三大アワードに参加してますか?
    3. Q3. 品評会の結果はどこで確認できますか?
    4. Q4. ノンアルワイン部門の受賞銘柄は日本で買えますか?
    5. Q5. 品評会受賞ラベルが付いた商品は本当に美味しいですか?
    6. Q6. NAスピリッツの品評会で評価される基準は?

なぜノンアル品評会の存在を知っておくべきか

ノンアル飲料の世界は、ここ5年で銘柄数が3〜4倍に膨れ上がりました。スーパーで20種類、専門ECなら200種類以上。全部試すのは不可能だし、レビューサイトは広告まみれで信用しづらい。

そこで指針になるのが、第三者機関がブラインドで評価する品評会の結果です。審査員は元醸造家・ソムリエ・ビアジャッジ資格保持者で、銘柄名もメーカー名も伏せた状態で官能評価する。広告費の影響を受けないから、結果に嘘がない。

受賞ラベルは「選びやすさ」を一気に高める

ヴェリタスブロイがカルディで存在感を持ち続けてる理由のひとつは、ドイツの品評会で何度も受賞してきた実績です。受賞歴は「迷ったらこれ」の根拠になる。自分も初めて飲む輸入銘柄を選ぶときは、必ず受賞歴を確認してから買うようにしてます。

日本の大手も、たとえばアサヒのドライゼロやキリンのグリーンズフリーは海外品評会の出品履歴があり、銀以上の常連。ドライゼロが売上No.1であり続ける背景には、こうした国際的な評価の積み重ねもあります。

業界の進化スピードを測るバロメーター

品評会の結果を年単位で追うと、業界の進化が見えます。たとえば2018年頃のNA部門は、ドイツ・ベルギー勢が金銀銅をほぼ独占していました。それが2023年以降、Athletic Brewing(米)やLucky Saint(英)といったクラフト系新興勢が一気に上位を獲り始めた。「ノンアル=大手の量産品」という構図が、品評会の結果でくっきり崩れていく様子が記録されています。

世界三大NAビールアワードとは

業界内で「世界三大」と呼ばれるのは、World Beer Awards、Brussels Beer Challenge、International Beer Challengeの3つです。いずれもNo&Low部門(ノンアル・微アル部門)を独立して設けており、出品数・審査員数・国際的な認知度のいずれも頭ひとつ抜けています。

大会名主催国創設年NA部門特徴
World Beer Awardsイギリス2007年あり(Low/No Alcohol)世界最大規模、銘柄数最多
Brussels Beer Challengeベルギー2012年あり(Low & No Alcohol)欧州の専門家中心、辛口評価
International Beer Challengeイギリス1996年あり(Low/No)商業性・パッケージも審査

World Beer Awards(ワールドビアアワード)

イギリスのParagon Publishingが主催する、ビール業界では最大級の品評会。Low/No Alcoholカテゴリの中に、Lager、Pale、IPA、Wheat、Stoutといったスタイル別の細分化があり、それぞれで国別の金賞→世界最高金賞という3段階審査が行われます。

2023年のNA Lager部門世界最高金賞はドイツのKrombacher Pils Alkoholfrei、2024年はLucky Saint Unfiltered Lager(英)が獲得。年ごとに「世界一」が公式に決まるので、その年の話題銘柄を追うのに最適です。

結果は毎年9月頃に公式サイトで全銘柄リスト付きで公開されます。スタイル別に絞り込めるので、「IPA系のノンアルで一番評価高いのどれ?」みたいな調べ方ができて便利。

Brussels Beer Challenge(ブリュッセル・ビア・チャレンジ)

ベルギーで開催される、欧州の専門家が集まる品評会。審査員はマスターブリュワー、ビアジャッジ、ジャーナリストが中心で、辛口評価で知られます。「金賞の数が少ない」のが特徴で、それだけに受賞すると信頼性が高い。

Low & No Alcohol Beer部門は2020年頃から本格化。近年はベルギーのHoegaarden 0.0やドイツのBitburger Drive、Erdinger Alkoholfreiが常連。日本からはサッポロが過去にエントリー実績があります。

個人的にはここの結果を一番参考にしてます。理由はシンプルで、本場の人が本気で評価してるから。ベルギー人が「これは良い」と言うノンアルビールは、実際に飲んで裏切られたことがほとんどない。

International Beer Challenge(インターナショナル・ビア・チャレンジ)

1996年から続く老舗の英国大会。特徴は「味だけでなくパッケージと商業性も審査する」こと。Design & Packaging賞、Outstanding Beer賞など複数のカテゴリがあり、Low/Noも独立部門化されています。

消費者目線に近い審査基準なので、「店頭で手に取りやすい」「ギフトに使える」みたいな実用性を重視する人には参考になります。パッケージ重視のノンアル選びを考えるとき、この大会のDesign部門受賞銘柄を見ると失敗が少ない。

三大アワードの審査基準と評価項目

「金賞」と一言で言っても、評価項目は各大会で違います。買い物の指針にする前に、最低限の基準を知っておくと納得感が違う。

官能評価の5つの軸

  • 外観(色、清澄度、泡持ち)
  • アロマ(モルト香、ホップ香、オフフレーバーの有無)
  • フレーバー(味のバランス、苦味、甘味、酸味)
  • ボディ・口当たり(厚み、炭酸の強さ、後味)
  • 総合的な完成度(スタイルへの忠実度、飲み飽きしないか)

NA部門で特に重視されるのは「オフフレーバーの少なさ」と「ボディの薄さをどう克服しているか」。脱アルコール製法だとどうしても風味が抜けやすいので、そこをどんなテクニックで補っているかが採点の核になります。

ブラインドテイスティングの徹底

三大アワードはすべて完全ブラインド。審査員は銘柄もメーカーも産地も知らされず、番号だけがついた検体を順に評価する。これにより「有名ブランドだから高評価」というバイアスが排除されます。

実際、過去のWorld Beer Awardsでは、無名のクラフト醸造所がハイネケンやカールスバーグといった大手を抑えて金を獲った事例が複数あります。資金力では絶対に負ける小さな醸造所が、味だけで勝負して勝てる場として機能してるのが品評会の良さ。

スタイル別審査という公平性

ラガーとIPAとスタウトを同じ土俵で比較するのは不公平なので、NA部門もスタイル別に細分化されています。ピルスナー・ペールエール・IPAのノンアル版の違いを理解した上で結果を見ると、自分の好みに合う銘柄を絞り込みやすい。

過去5年の主要受賞銘柄リスト

三大アワードのNA部門で繰り返し上位を獲っている銘柄を、自分のメモから抜粋しました。年によって順位は変動するので、参考程度に。

銘柄スタイル主な受賞
Lucky Saint Unfiltered英国無濾過ラガーWBA 2024 世界最高金
Krombacher Pils AlkoholfreiドイツピルスナーWBA 2023 世界最高金
Bitburger DriveドイツピルスナーBBC 複数回金
Erdinger AlkoholfreiドイツヴァイスBBC・WBA 常連
Athletic Brewing Run Wild米国IPAWBA IPA部門金
Heineken 0.0オランダラガーWBA 複数年銀
Hoegaarden 0.0ベルギーホワイトBBC 金
Veritas BräuドイツピルスナーDLG 金(独国内)

この表のうち、Lucky Saint、Athletic、Veritas Bräuあたりは日本でも入手可能。輸入クラフトNAを扱う専門店や、カルディ、専門ECで見つかります。

ドイツ勢の強さの理由

受賞銘柄を眺めると、毎年ドイツ銘柄が3〜4割を占めます。これはビール純粋令の伝統と、脱アルコール技術への早期投資が背景にある。ドイツでは1970年代からノンアル開発が本格化していて、技術蓄積が他国と桁違いです。

アメリカン・クラフトの台頭

2020年以降、Athletic Brewingを筆頭にアメリカのクラフトNA専業ブルワリーが急激に受賞数を伸ばしてます。彼らは「ノンアルだから手を抜く」を徹底的に拒否していて、本格的なIPAやスタウトでガチで勝負してくる。この潮流が、世界のNA市場の質を一段上げた立役者だと思ってます。

ビール以外の品評会|ワイン・スピリッツ

NA品評会はビールが先行してますが、ワインとスピリッツ部門も近年急速に整備されてきました。

Decanter World Wine Awards(DWWA)

ワイン業界最大の品評会DWWAは、2021年からアルコールフリー・ワイン部門を正式に新設しました。マスター・オブ・ワイン資格保持者が審査するので、評価の権威性はピカイチ。

過去の金賞銘柄ではドイツのLeitz Eins Zwei Zero、フランスのPierre Chavin Pierre Zéroあたりが常連。日本でも輸入されているので、ノンアルワインを真剣に選ぶならまずここの受賞リストから当たるのが間違いないです。

International Wine Challenge(IWC)No & Low部門

こちらも英国発の老舗大会で、No & Low部門を2022年に独立カテゴリ化。スパークリング、赤、白、ロゼまでスタイル別に細かく審査されるので、ノンアルスパークリングの選択肢に困ったときの参考になります。

World Spirits Awards(NA Spirits部門)

ノンアルジン、ノンアルウイスキー、ノンアルラムといったスピリッツ系の品評会で、SeedlipやLyre’s、Three Spiritsといったブランドが常連。NAスピリッツは銘柄ごとの個性が極端に違うので、受賞歴を見ながら選ぶと外しにくいです。

日本国内の品評会・コンテスト事情

残念ながら、日本国内ではノンアル飲料の独立した品評会はまだ確立されていません。日本ビアジャーナリスト協会の「インターナショナル・ビアカップ」がNA部門を持っていますが、出品数は欧州大会の10分の1以下。

「ジャパン・ヘルシーフードアワード」など派生型

機能性表示食品やトクホ系の表彰、ヘルシーフードアワードといった健康軸のコンテストはあって、そこにノンアルが含まれることはあります。ただし「味の品評」ではなく「健康訴求」中心なので、選び方の目的が違う。

メディア主催のブラインドテスト企画

公式品評会が薄い分、雑誌やオンラインメディアが独自のブラインドテスト企画を組むケースが増えてます。dancyu、BRUTUS、日経トレンディなどがノンアル特集を組んだ際の「編集部が選ぶベスト」は、品評会代わりの指標として一定の信頼性がある。

この手の情報を追いかける方法は、ノンアル飲料の最新ニュースを追う情報源リストにまとめてあります。

受賞銘柄を実際に手に入れる方法

世界三大アワードの結果を知っても、銘柄が手元に届かないと意味がない。実際の入手ルートを整理します。

輸入専門店・並行輸入ルート

カルディ、ジュピター、PLAZAあたりが輸入NAの定番。Lucky SaintやErdinger Alkoholfreiはこれらの店で見つかります。Athletic Brewingは正規輸入が始まったので、専門ECで購入可能。

サブスクで「お試し」する

受賞銘柄を1本ずつ試したい場合は、ノンアル専門のサブスクが便利。月に4〜8本の海外銘柄が届くタイプのサービスなら、自分の好みに合う受賞銘柄を効率よく絞り込めます。1本2,000円超えのクラフトNAをいきなり箱買いするより、サブスクで試飲する方が安全。

海外旅行・出張のついで買い

地味に強いのがこれ。ドイツ、ベルギー、オランダのスーパーに行くと、日本では2,000円する受賞銘柄が現地で1.5ユーロで普通に並んでます。スーツケースに10本詰めて帰ってくると、しばらく幸せな日々が続きます。自分は毎回これやってます。

よくある質問

Q1. 品評会の金賞と銀賞、どれくらい味の差がありますか?

同じスタイル内なら、正直、消費者レベルではほぼ差は分かりません。0.5〜1点差で順位が入れ替わる世界なので、銀でも銅でも「世界レベルの品質」と思って大丈夫。ただし金を獲り続けてる銘柄は「ハズレが少ない安定感」があるので、迷ったら金が無難です。

Q2. 日本のメーカーは三大アワードに参加してますか?

はい、参加してます。アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーはいずれもWorld Beer Awardsへの出品実績があり、ドライゼロやオールフリーは過去に銀以上を獲ったことがあります。ただし世界最高金は未獲得で、ここがドイツ・英国勢との壁。

Q3. 品評会の結果はどこで確認できますか?

各大会の公式サイトで全結果が無料公開されています。World Beer Awardsはworldbeerawards.com、Brussels Beer Challengeはbrusselsbeerchallenge.com、IBCはinternationalbeerchallenge.com。スタイル別・国別で絞り込めるので、欲しい情報にすぐ辿り着けます。

Q4. ノンアルワイン部門の受賞銘柄は日本で買えますか?

Decanter金賞のLeitz Eins Zwei Zeroは、伊勢丹や成城石井、専門ECで購入可能。Pierre Chavinシリーズも一部輸入されてます。NAワインは特に銘柄ごとの差が大きいので、受賞歴を頼りに選ぶ価値が高い。

Q5. 品評会受賞ラベルが付いた商品は本当に美味しいですか?

「自分の好みに合うか」は別問題ですが、「客観的な品質が一定以上」は保証されてると考えていいです。受賞ラベルは「スタートライン」。そこから自分の味覚と合うかは試飲で確かめるしかありません。逆に言えば、受賞銘柄から試した方がハズレを引く確率は明らかに低い、これは経験上断言できます。

Q6. NAスピリッツの品評会で評価される基準は?

香りの複雑さ、ボタニカルの表現力、カクテルベースとしての使いやすさが主な評価軸。アルコールが香りを運ぶ役割を失った中で、どれだけ豊かな風味を組み立てているかが採点の核です。Seedlip、Lyre’s、Three Spiritsあたりの常連勢は、いずれもこの設計が緻密。

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